◆作者：高木兼寛◆作品：五行書竪物◆材質：絖本墨書(真筆作品)◆款記：「大正六年五月 為黒田兄 穆園」◆印章：「兼寛印信」白文方印 「兼寛印信」白文方印 「行餘游戯」朱文単郭長方印◆制作年：大正6年(1917)◆寸法：本紙132.7×42.9cm 総丈199.0×57.6cm◆付属品：合わせ箱(甲書「高木男爵之書」)◆状態：ややシミ汚れ箇所あり。折れ皺箇所あり。
【高木兼寛(たかき・かねひろ)】嘉永2年～大正9年(1849－1920)日向国諸県郡穆佐郷(現・宮崎県宮崎市高岡町、旧・東諸県郡高岡町)に薩摩藩郷士・高木喜助兼次の長男として生まれる。通称・藤四郎。薩摩藩蘭方医・石神良策に師事し、戊辰戦争には軍医として従軍。維新後は開成所や鹿児島医学校に学び、明治5年(1869)軍医として海軍入りする。英国留学を経て、東京海軍病院長・海軍医務局長・海軍軍医総監(少将相当、海軍軍医の最高位)を歴任。明治16年、海軍の遠洋航海における脚気発症の予防として、米飯を避け麦飯によって栄養を摂取する兵食改革を主導し論理的には誤りがあったものの(これに対して徹底した批判的立場をとったのが陸軍軍医・森林太郎[森鴎外]であった)実地での成果を挙げ、のちに「日本疫学の父」を称される所以となった。明治21年、日本最初の博士号授与者として医学博士号を受ける。明治25年、予備役編入。大正3年(1914)退役。明治38年、男爵を授爵し華族に列せられる。医学教育者としても多大な功績があり、明治14年に成医会講習所(東京慈恵会医科大学の前身)を開設したほか、有志共立東京病院(東京慈恵会医科大学附属病院の前身)、日本初の看護教育機関である有志共立東京病院看護婦教育所(慈恵看護専門学校の前身)の創立にかかわった。男爵。最終階級は海軍軍医総監。雅号・穆園。
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